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リスニングの練習はディクテーションが最適?|英検2級・準1級のリスニングで高得点を取る勉強法とは

2025/05/04
リスニングの練習はディクテーションが最適?|英検2級・準1級のリスニングで高得点を取る勉強法とは

「英検のリスニングが苦手…」「英検のリスニング対策って何をすればいいの?」
そう感じている受験生は多いのではないでしょうか。英検では、リーディングやライティングに加え、リスニング対策が合否を大きく左右します。特に英検2級や準1級になると、英語を「正確に聞き取る力」が求められるため、しっかりとしたリスニング練習が必要です。

本コラムでは、英検合格保証制度を有するオンライン英語塾OUTCOMEが、英語リスニング力を高める具体的なトレーニング方法を紹介したうえで、英検リスニング対策(2級・準1級)に特化した勉強法や出題傾向を詳しく解説します。
ディクテーションやシャドーイングなど、効果的な方法を実例とともに紹介しているので、英検に向けて本気で対策したい方はぜひ参考にしてください。

 

英語リスニング力を鍛えるには?

リスニング力は、音を聞いて意味を素早く理解する力です。単語や文法の知識に加えて、音の変化やスピードに慣れる必要があります。我々OUTCOMEでは、リスニングの練習とは「音とスペルを一致させる作業」だと紹介しています。耳で聞いた音が、頭の中でスペルに正しく変換され、それを脳内で読めば、その英文の理解が可能です。

英語のリスニングが難しい理由

まず、なぜ英語のリスニングが難しく感じられるのか、その理由を理解することが重要です。

1.音と文字のギャップ
英語は綴りと発音の乖離が大きく、目で見た単語と耳で聞く音声が一致しにくい言語です。例えば “colonel”(カーネル)など、発音と綴りがまったく一致していない例もあります。
2.音の連結や消失(リエゾン)
“What do you want to do?” が「ワダヤワナドゥ」のように聞こえるなど、話し言葉では音がつながったり、省略されたりするため、初心者には非常に聞き取りにくくなります。
3.スピードの問題
ネイティブスピーカーの自然なスピードは、英語学習者にとっては非常に速く感じられます。単語は知っていても、速いスピードで流れると意味が追えないことも多いでしょう。

リスニング力を伸ばす練習方法

英語のリスニング力を向上させるためには、継続的なトレーニングが不可欠です。以下に代表的なリスニング練習方法を紹介します。

1. シャドーイング

聞こえた音声を、文字を見ずにすぐさま真似して発音する練習です。リズム、イントネーション、発音をそっくりそのまま再現することを目指します。脳と口と耳を同時に使うため、リスニングとスピーキングの両方に効果があります。

おすすめ教材例:
NHKラジオ講座(英語耳にやさしい)
TED Talks
映画やドラマのセリフ

2. 精聴(Intensive Listening)

一つの短い音声を何度も繰り返し聞き、わからなかった単語や表現を確認していく方法です。内容理解を重視し、スクリプトを併用して語彙や文構造の把握にもつなげます。

3. 多聴(Extensive Listening)

好きなジャンルのポッドキャスト、ニュース、映画などを日常的に聞く習慣をつけること。すべてを理解しようとせず、全体の流れや文脈をつかむことに意識を向けます。リスニングに対する耐性や集中力を高めるのに有効です。

4. ディクテーション(Dictation)

聞こえた英語を一語一句書き取る練習です。これこそが、リスニング力向上において非常に効果的な方法であり、特に音のつながりや消失に気づく力を養うことができます。

次項では、ディクテーションの効果と具体的なやり方を詳しく解説します。

ディクテーションのすすめ:なぜ効果的なのか?

我々OUTCOMEでは、上記のように様々な練習方法がある中で「ディクテーション」を生徒に勧めています。
ディクテーションは「聞こえた音を文字にする」というシンプルな作業ですが、その中には多くのスキルが統合されています。

ディクテーションのやり方

1.音声を用意する
1〜2分程度の短い素材が最適です。NHKラジオ、英検の過去問、共通テストリスニング問題の過去問などもおすすめです。ただし、必ずスクリプト(音声が文字になっているもの)がある教材を選んで下さい。
2.一文ずつ再生し、書き取る
英文を1文再生したら一時停止をして、いま聞き取った英語を紙に書いてみます。最初は一度聞いただけで書き取れなくてもOK。巻き戻して何回か聞き、可能な限り英文を紙に書いていきます。
3.スクリプトと照らし合わせて確認
ある程度納得のいくものが書けたら、スクリプトを確認して正解と照合します。そして、聞き取れなかった箇所、間違っていた箇所をチェックし、なぜそう聞こえたのかを分析します。

ディクテーションのメリット

1.注意深く聞く力が身につく
一語一句に意識を集中する必要があるため、「なんとなく聞き流す」という癖を矯正できます。
2.音と文字の一致が進む
書くことで「この音はこの単語だったのか」と気づくことができ、音とスペルの対応関係が明確になります。すぐには聞き取れるようになりませんが、徐々に正解率が上がってくるはずです。
3.リエゾンや弱形の認識
連結や消失といった話し言葉の特徴にも耳が慣れてきて、ある程度分かるようになります。
4.文法力・語彙力の強化
書き取りながら構文を分析したり、聞き取れなかった部分を復習することで、文法力や語彙力も自然と鍛えられます。

リスニング力を伸ばすための習慣づくり

1.毎日英語を「聞く」時間を確保する
ディクテーションには長時間をかけなくてOK。短時間(10〜15分でもOK)でいいので毎日継続すると効果絶大。夜寝る前など、実施時間を決めてルーティン化するとよいです。
2.必ず「聞きっぱなし」にしない
聞くだけでなく「確認」「書く」「話す」のステップを踏むことで、定着度が格段に上がります。
3.自分の成長を記録する
書き取れる単語数、内容理解の正答率などを記録することで、やる気にもつながります。

シャドーイングや音読よりディクテーションのほうが効果的?

リスニング力を上げる練習として、ディクテーションと同じように取り上げられるのが「シャドーイング」です。
シャドーイングとディクテーションでは、どちらのほうが効果が高いのでしょうか?

シャドーイングは聞こえた音声を、文字を見ずにすぐさま真似して発音する練習です。音に対しては非常に集中しておこなう作業ですので、リエゾンやスピードへの慣れを養う効果は期待できます。
しかしOUTCOMEが考える「音とスペルを一致させる作業」というゴールから考えると、スペルを目で見ることがないシャドーイングは、やや目的に対して効果がズレるとも言えます。

では、音読はどうなのかと言えば、これは目で見たスペルを自分の言葉で発音して音に繋げていく作業と言えるため「音とスペルを一致させる作業」という点では理に適っています。しかしながら、この音はあくまでもネイティブではない皆さん自身の発音になります。
英検も共通テストもリスニングの問題はネイティブの発音を聞き取る作業ですので、その音で練習をしたほうがより本番をイメージした練習となるはずです。

これらを総合すると、やはりディクテーションが最も効果的です。
ただ、「ディクテーション+シャドーイングor音読」はよい勉強法だと言えます。
「音→スペル」という方向性のディクテーションでしっかり確認したものを、次は「スペル→音」の方向性であるシャドーイングや音読で強化するイメージです、時間に余裕があれば是非やってみていただきたい勉強です。

英検2級、準1級のリスニング対策

英検では、リスニング力が合否を大きく左右します。リーディングやライティングで点を稼げても、リスニングが足を引っ張る受験生は少なくありません。リスニングの得点を安定させることで、総合的な合格可能性が一気に高まります。

ここでは、英検2級英検準1級それぞれについて、出題傾向と具体的な練習法を解説します。


◆ 英検2級のリスニング対策

【出題構成(2024年度以降)】
リスニングテストは大問3つで構成されており、放送は1回のみです。

大問内容問題数
第1部会話の応答文選択15問
第2部会話の内容理解15問
第3部説明文・ナレーションの理解10問

合計:40問・約25分

【出題傾向と対策】

第1部:応答文選択(短い会話)

  • “A: I missed the bus.”
    “B: ______”
    →といった会話のやりとりで、もっとも自然な返答を選ぶ問題です。

対策ポイント:

  • 英会話特有の応答パターンに慣れる(例:That’s too bad. / You should take a taxi.)
  • ディクテーションでフレーズを正確に聞き取れるようにする

第2部:会話内容理解(中〜やや長めの会話)

  • 学校、アルバイト、旅行、買い物など、身近なシーンが多い

対策ポイント:

  • 多聴+精聴:幅広いトピックに慣れながら、内容を要約する練習を
  • メモを取る習慣をつける(名前・数字・目的などを意識)

第3部:説明文・ナレーション

  • ニュースや講演風の一方的な説明を聞いて設問に答える
  • 長さは1分程度だが、選択肢も長めになる

対策ポイント:

  • シャドーイング+ディクテーション:情報量が多いため、聞き取り精度が鍵
  • 問題を解く前に設問に目を通し、何に注目すべきか明確にしておく

◆ 英検準1級のリスニング対策

【出題構成(2024年度以降)】

大問内容問題数
第1部会話の内容理解(短め)12問
第2部トークの内容理解(中長)12問
第3部Real-Life形式(チラシ・放送など)5問
第4部インタビュー形式の会話5問

合計:34問・約30分

【出題傾向と対策】

第1部:短めの会話

  • 話し言葉だが話題が少し高度(教育、環境、科学など)

対策ポイント:

  • 背景知識と語彙力の強化が重要(ニュースや記事から頻出テーマを確認)
  • 日常会話では使わない語彙も頻出(例:alternative energy, biodiversity)

第2部:トークの理解

  • 大学の講義、プレゼン、説明会などを想定したやや学術的な内容

対策ポイント:

  • 英語ニュース・ラジオ(NHK World、BBC Learning Englishなど)を活用
  • スクリプト付き音源で精聴→ディクテーション→要約まで行う

第3部:Real-Life形式

  • 駅の放送、案内、広告、留守電メッセージなど、実用的な形式

対策ポイント:

  • 目的・条件・重要情報(日時、連絡先、料金など)を聞き取る練習
  • 通常のリスニングとは異なる**”情報処理型”の聞き方**をする

第4部:インタビュー形式

  • インタビューを聞いて話者の意見や要点を把握する問題

対策ポイント:

  • 話者が何を言いたいのか、要旨把握能力を意識
  • 「Who says what?」の整理力をつけるため、図解しながら聞く練習も効果的

【共通:英検リスニング対策の学習ステップ】

図解:準1級・2級向けリスニング力アップの学習サイクル

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│ ① 音源を聞く(1分〜3分) │
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│ ② ディクテーション │
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│ ③ 答え合わせ+語彙確認 │
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│ ④ シャドーイング or 音読 │
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│ ⑤ 模試形式で演習 │
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まとめ

  • 2級対策:身近なトピックへの対応力、反応表現の習得、情報の拾い方がカギ
  • 準1級対策:背景知識と語彙力、構造理解力、内容要約力が求められる
  • どちらにも有効なのが「ディクテーション+シャドーイング」の組み合わせ

リスニング力は短期間で劇的に伸びるものではありませんが、「正しい練習」を続ければ必ず結果に結びつきます。

リスニングの練習とは「音とスペルを一致させる作業」だと認識していただき、ぜひ毎日の中に「耳を鍛える時間」を取り入れてみてください。