英検準1級を持っていると有利になる大学(早慶MARCH編)
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英検を持っていたら受験に有利になる、と聞いたことはあると思います。しかし、闇雲に英検取得を目指しても意味がありません。どの級(スコア)が受験でどのように活用できるのかを把握しておかないと、むしろ入試で不利に働いたり、そもそも使えなかったりという可能性があります。
今回は受験に有利になる英検をきちんとおさえて、私立上位校でどのように利用できるのかを整理していきましょう。
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<目次>
■英検利用入試とは
■英検利用入試の利用状況は?~早慶MARCH編~
■早期に英語を仕上げて受験のアドバンテージを作ろう
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■英検利用入試とは
「英語外部試験利用入試」と言われたりしますが、英検やTOEFLといったいわゆる英語検定試験のスコアを利用して入試にチャレンジできる制度のことです。近年では私立大学の多くが利用するようになってきました。
英検利用入試で英検準1級が使えると、いわゆる早慶MARCHといった難関大学で有利に働きます。
そのために英語を勉強することは、自身の英語力向上だけでなく、一般入試での英語力UPにもなりますので、頑張ることは決して損ではありません。
ではまず、この英検利用入試の概要から整理していきましょう。
・英検利用入試の形式
大学によって異なり、主に3種類に分かれます。
①英検のスコアが大学指定の条件のもとで換算される場合 ②換算された得点が実際の入試に加点される場合 ③英語試験免除を受ける資格のみを満たす場合 です。
英検を持っていれば必ず入試の得点に加算されるわけではないため、各大学・学部の募集要項で条件を確認することが必要です。
・募集枠について
大学によって2種類に分かれます。英検利用入試専用の枠で選考が行われる場合と、英検使おうが使わまいが通常の募集枠で選考が行われる場合です。
前者については一般の方式に比べると募集枠が少なくなる傾向がありますので、過去の入試倍率や合格最低点を確認し、本当に英検で勝負できそうかを判断する必要があります。
次に、受験概要を理解した上でメリット・デメリットを考えていきます。
<英検利用入試を使うメリット>
①本番の試験で英語が免除される学部があること
②本番の入試で、英検のスコアが得点換算されて、他の科目との合計点に加算されること
①については、文字通り、その大学学部の入試において英語の試験を受けなくてよくなります。取得級が高いほど免除を受けやすいということもイメージが付きやすいと思います。
②も同様に考えると高い級ほど得点加算が大きくなる、ということがイメージしやすいと思います。本番の入試でミスせず7~8割取ろうとすることと、英検のスコアの換算によって7~8割獲得できることが確約されているのでは、後者のほうが安心感があります。
<デメリット>
①募集枠が英検専用枠となっていると、一般入試に比べて募集枠が少ないことが多い
②得点加算される方式の場合、英検の換算スコア以上の実力があっても得点が固定される
①については、英検利用入試を推薦入試のようなものと捉えるとイメージしやすいかと思います。推薦入試も一般入試と比べれば募集枠は少なくなりますよね。
また、②については、本番の入試で仮に9割とれる力があっても、英検利用入試のスコア換算で8割にしかならなければ、本番の入試は8割で計算されてしまいます。そして、一般入試と英検入試の併願ができず、どちらかで勝負しないといけない大学もあるため、本当にその大学で英検利用を使ったほうが好成績になるのかどうかは慎重に考える必要があります。
■英検利用入試の利用状況は?~早慶MARCH編~
では、早慶MARCHのいわゆる上位校がどのように英検利用入試を取り入れているのか、整理していきましょう。
慶應大学以外は英検利用入試を実施していることがわかります。そして実施している大学はすべての学部で利用できたり、一部の学部のみで利用できたりと、大学によって異なります。自分が志望する大学と学部をきちんと把握して、どのような選考が行われるのかということは戦略的に考えていかなければいけません。
次に、各大学ごとに具体的な出願基準と、選考内容を整理していきましょう。
※これから記載する情報は、2023年度入試の内容を抜粋しています。受験生のみなさんは、受験年度の募集要項を必ず確認の上で受験する・しないを判断してください。
<早稲田大学>
利用可能学部・・・商学部、国際教養学部、文化構想学部、文学部
CSEスコアというのは、英語の4技能(Reading、Writing、Speaking、Listening)を総合的に数値化したもので、「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」という英語の習熟度を判断する国際基準にもとづいています。CSEスコアには英検の合格基準が設けられていて、スコア◯◯点以上で△△級合格、というようにもなっています。
2級合格ラインが1980、準1級合格ラインが2304ですので、早稲田大学では2級~準1級にチャレンジできていればOKと考えられます。
ただ、概ね準1級以上を取っていれば英検の恩恵を受けられますが、得点加算を大きく狙うには1級合格が必要という点でハードルは高くなります。
<明治大学>
利用可能学部
一般入試:商学部、経営学部、国際日本学部
全学部入試:農学部、経営学部、国際日本学部、総合数理学部
明治大学では一般入試だけではなく、全学部入試でも利用できるというのが特長です。
一般入試の商学部では2級以上取得で英語の配点が通常の倍になりますので、英語に自信がある受験生であれば得点源にすることができます。経営学部のように得点加算されるには、スコアが2467以上必要ですが、準1級の合格ラインが2304ということを考えると、準1級取得はマストであるだけでなく、かなり英語が得意な層が集まることが予想されます。
なお、全学部入試では、受験資格を満たせば英検スコアが換算されます。80点・90点換算については、2級合格時のCSEスコアが使われることに注意しましょう。他の級で仮にCSEスコアをクリアしていたとしても換算対象にはならないので、2級取得がマストということになります。そして準1級取得だけで満点換算されることを考えると、こちらも準1級はかなり有利になることがわかります。
<青山学院大学>
利用可能学部・・国際政治経済学部、総合文化政策学部
CSEスコア2100というのは、2級合格ラインが1980、準1級が2304なのでちょうど2級~準1級間のレベルになります。そのため、準1級取れていればクリアしていることになります。青山学院の一般入試は共通テストと大学独自の問題を組み合わせていくので、共通テストで高い点数が取れていて、かつ準1級が取れていれば有利に受験を進めることができますね。
ちなみに国際政治経済学部については、一般入試だと社会が25点、国語が25点、英語が50点に換算されて合計100点で計算されますが、英検を使えば社会なしで、国語40点、英語60点と配点割合が変わります。国語と英語で点数が取れれば有利に働くというわけです。
<立教大学>
利用可能学部・・・全学部
立教大学は、全学部で英検利用ができます。大学がつくる英語の試験はなく、共通テストか英検などの検定試験いずれかの得点が採用されます。
自分が共通テストでどれだけ点数が取れるかという相性を考えて英検の利用有無を決めていくのがよさそうです。準1級の合格ラインのCSEスコアが2304ですので、準1級取得であれば85%は英語で得点できていることになりますが、毎年この換算値は変更されていきますので、最新の入試要項を必ず確認してください。
また、CSEスコアの換算基準は大学から上記のラインしか公表されていないため、上記ラインの中間部分の換算スコアは不明です。
ちなみに英検ではなく共通テストで勝負するとしても、最低8割以上の高い点数が取れるように対策をきちんと進めておく必要はあります。
<中央大学>
利用可能学部
経済学部、理工学部、文学部、総合政策学部、国際経営学部、国際情報学部
早慶MARCHの一般入試の中で、中央大学は英検利用ができる学部数が多い大学の1つです。
経済学部では、2級以上の受験歴とCSEスコアも1728と準2級合格ラインで出願資格を満たすので、必ずしも準1級が取れていなくてもチャレンジ可能といえます。しかし、得点加算までのメリットを見ると、CSEスコア2000点でも95点と約6割ほどであるため、大きなアドバンテージになりにくく、他の学部を見てもやはり準1級を取得していると恩恵が受けられることがわかります。
また、得点換算基準となるCSEスコアが部分的にしか公表されていないため、一般入試の得点率を考慮して出願を決めていく必要がありそうです。
<法政大学>
利用可能学部(一部、学科指定あり)
法学部、文学部、経済学部、社会学部、経営学部、国際文化学部、人間環境学部
現代福祉学部、キャリアデザイン学部、スポーツ健康学部、情報科学部
デザイン工学部、理工学部、生命科学部、GIS(グローバル教養学部)
法政大学でも多くの学部で英検を使った入試が行われており、出願資格を満たせば当日の英語試験が免除される学部がほとんどです。
英検が得点換算されるのは、グローバル教養学部のみで、1級以上取得で140点、準1級以上かつCSEスコアが2500点以上で130点加算されます(満点150点)。
表を見る限り、準1級を取得していることが有利になるのは明らかでしょう。
■早期から準備をして英検準1級を取得し、受験のアドバンテージを作ろう
英検準1級を取得することで、早慶MARCHの上位校を受験するときに有利に働く可能性があることはここまで読んでお分かりいただけたと思います。
しかし、準1級はそう簡単に取れるものでもありません。
それなりに時間をかけていかないと実力をつけることができず、ましてや高校3年生で英検にチャレンジするようでは、他の受験科目の勉強時間を削ることにもなり、受験勉強が回らなくなること必至です。
そうならないように早めに英語の勉強をスタートし、英検対策も一緒に進めて取得級を上げていく戦略をとることが必要になってきます。高校1年・2年の時間であれば比較的時間に余裕がありますので、これをチャンスと捉えて効率的に勉強することをおすすめします。
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